部品加工業におけるリバースエンジニアリングとは、製品の構造や仕様を三次元測定機などを使って分析した情報を基に新たな製品を開発する手法です。開発期間の短縮・コストの削減、製品の品質向上を目的に行います。

通常の製品開発のフローでは、仕様決定・図面作成・製作となることが一般的です。リバースエンジニアリングは完成品の分析から始まり、図面や3D-CADデータを作成するといった逆向きの手順を踏みます。

開発にかかる膨大な開発コストや時間を削減したり、アイデアに行き詰まった時の打開策など、より良い製品を作り出すために有効な手段です。

リバースエンジニアリングの目的

リバースエンジニアリングは主に既存製品の改良や破損部品の修復、廃盤になった部品の復元を目的に活用されます。例えば標準部品を自社の仕様に合わせて形状や材質を変更することができます。これにより使い勝手の向上や、生産体制や調達先の変更によるコストダウンや短納期化を実現できます。

納期面では主に海外などの遠方から調達している部品に大きな効果があります。海外のメーカーへの発注で数ヶ月かかる部品を自社や近くで製造できるようになれば、大幅な納期短縮が可能です。実際に2ヶ月の納期を2～3週間に短縮できた例もあります。

また、図面を紛失した部品の再データ化にも有効です。0から作り直すよりも作業時間を短縮することができます。その際に改良のきっかけとなることもあります。

依頼に必要なもの

必要なものは基になる製品のみです。当社では社内の測定機を使って製品の分析を行います。3Dデータ化したのち、お客様のご要望をヒアリングしながらデータを改良します。データ完成後、加工に移ります。また、主な対応加工方法は切削加工と3D造形です。